【必須アミノ酸とは？9つの種類と役割と覚え方】

健康な体づくりと密接な関係がある「アミノ酸」ですが、実は私たち人間は食べ物から摂取しなければならない”9種類の必須アミノ酸”があります。
この記事では、「必須アミノ酸」をテーマに、9つの種類や役割・覚え方・健康のための食事法までご紹介します。

20種類のアミノ酸には、9種類の”必須アミノ酸”と11種類の”非必須アミノ酸”があります。
必須アミノ酸は、体内ではつくりだせないため食事からの摂取が不可欠です。
非必須アミノ酸は、体内でつくりだせることから「非必須」という言葉が用いられていますが、重要な役割を持つものばかりで、私たちの体にとって非必須の栄養素ではありません。
必須アミノ酸と非必須アミノ酸を合わせると20種類ありますが、1つでも欠けるとたんぱく質を合成することはできません。
 

必須アミノ酸はたんぱく質を合成するだけではなく、健康の維持や回復のサポートなどそれぞれが役割をもって作用しています。下記に簡単にご紹介します。

◆フェニルアラニン
神経伝達物質の材料となり精神の安定化・記憶力の向上・鎮痛効果・食欲抑制などの効果があります。

◆ロイシン
筋肉合成の促進と分解の抑制に関わり、肝機能を高める働きがあります。
また、運動時の瞬発力や持久力の向上が期待できます。
バリン・イソロイシンとともに、筋肉でエネルギー源となるBCAA(分岐鎖アミノ酸)の一種です。

◆バリン
筋肉の修復や強化・体の成長促進・血液中の窒素バランス調整などの機能があります。
ロイシン・イソロイシンとともに、筋肉でエネルギー源となるBCAA(分岐鎖アミノ酸)の一種です。

◆イソロイシン
筋肉を強化して体の成長を促すほか、神経の働きを助けたり血管拡張・肝機能強化・疲労回復などの効果があります。ロイシン・バリンとともに、筋肉でエネルギー源となるBCAA(分岐鎖アミノ酸)の一種です。

◆スレオニン(トレオニン)
肝臓に脂肪が蓄積するのを防ぎ脂肪肝を予防する効果があります。その他、成長の促進・新陳代謝の促進・胃炎の改善効果など、体の各機能が正常に発達するように促す働きをしてくれます。

◆ヒスチジン
大人は体内で合成できますが、子供は合成することができないため、子供の発育に不可欠なアミノ酸です。
成長促進や神経機能の補助・疲労感の軽減・慢性関節炎やストレスを緩和させる働きがあります。

◆トリプトファン
神経伝達物質のひとつであるセロトニンの材料となり、精神の安定化・集中力や記憶力を高めるなどの効果があります。
その他、寝つきを良くする効果や体内時計の調整・睡眠サイクルの正常化など、不眠症の解消に貢献します。
また、鎮痛作用や精神を安定させる効果があることから、月経前の体の不調(PMS)を改善することが期待されています。

◆リジン(リシン)
身体組織の修復に関与し体の成長を促します。
その他、代謝促進・疲労回復や集中力を高める効果・カルシウムの吸収促進・肝機能強化・脳卒中発症率の低下などが期待できます。

◆メチオニン
うつ病改善の作用を持つ脳内物質の材料となり、記憶力の向上や認知症の予防・改善など、脳の活性効果が期待できます。また、育毛や発毛にも効果を発揮します。
その他、アレルギー症状の緩和・抗酸化作用のサポート・肝機能の保護などの効果があります。

必須アミノ酸は9種類あり、カタカナばかりなので丸暗記で覚えるのは簡単ではありません。
必須アミノ酸は”語呂合わせ”を用いることで、簡単に覚えられてすぐに思い出すことができます。
「必須アミノ酸の簡単な覚え方」は以下になります。

＜風呂場イスひとりじめ＞
「風呂場イスひとりじめ」の頭文字に必須アミノ酸を当てはめていきます。

＜雨降りバスとろい日＞
「雨降りバスとろい日」の頭文字に必須アミノ酸を当てはめていきます。

たんぱく質の栄養価を評価する基準として、有効な方法が”アミノ酸スコア”の活用です。
アミノ酸スコアとは、食品の中に含まれる必須アミノ酸の含有量のバランスを評価して数値化したものです。
体内のたんぱく質を構成するアミノ酸は20種類あり、食べ物などから摂取する必要がある必須アミノ酸は9種類あります。これらのアミノ酸が1つでも欠けるとたんぱく質を合成することはできません。
必須アミノ酸がバランス良く含まれていることでアミノ酸スコアは”100”に近い数値となり、「良質なたんぱく質」と評価することができます。
一般的に、動物性たんぱく質は植物性たんぱく質よりもアミノ酸スコアの高いものが多く、鶏卵や牛肉・鮭などがアミノ酸スコア100で理想的な食品となります。
ただし、肉や魚には脂質も多く含んでいるのでバランス良く食べることが必要です。
 

いかがでしたでしょうか？
今回は、「必須アミノ酸」をテーマに、種類やそれぞれの役割・覚え方・健康のための食事法まで、幅広い情報をお伝えしました。
必須アミノ酸は体内ではつくりだすことができないので、食事から摂取する必要があります。
さまざまな食品を食べることを意識して、主食・主菜・副菜で食事を構成することで、ほとんどの場合、必須アミノ酸の不足を解消することができます。
バランスの良い食事で健康的な食生活を送りましょう。